朝、ゆっくりと霧が晴れていくノスタルジックな世界。
海を見下ろす山の斜面に家々がへばりつくように広がっています。街の中心には、南北に貫く石畳の坂道。その両側にはレンガ造りの建物や折り重なる屋根瓦、家の軒先には紅色のぼんぼりが揺れています。
古い茶藝館が建ち並び、湯気と茶の香りが漂っています。

台湾北部の小さな集落、九份。
ここで砂金が見つかり、金脈が発見されると、街は一挙に黄金郷となりました。

日本統治下の後、台湾の事業家の手に渡り、太平洋戦争を経て、金鉱は閉山。次第に廃れ、人々は街を去っていきました。
しかし、眠っていた街は、新たな観光地として目を覚ましたのです。

この街で生まれ育ち、金鉱とともに行きた一人の男性が、生き証人として街のことを語り始めます。

彼にとってそれは自分の人生を語ること。
人は街とともに行きているのです。

クリエイティブ21
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